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2012年2月8日水曜日

NHKでペプチドワクチンについての番組を見る

朝NHKでやっている「朝いち」で、ペプチドワクチンについての治療についての特集をやっていた。久留米大、東大、岩手医大での治験結果について、延命効果については有意の効果が認められること、しかし日本で保険治療として認められるには、安全性についての試験に時間がかかるため数年から10年はかかるだろうこと(欧米に比べて遅れているという、いわゆるドラッグラグ)、将来的には治療のみならず、癌にならないような予防効果まで期待できる可能性もある、というものだった。

前立腺癌について、久留米大の例も紹介され、大学病院の映像も映っていた。

とはいえ、久留米大の治療が混合医療だという(恐らくは)間違いもあったような(実態は、混合治療ではなくて、ペプチドワクチンに関しては保険が全く適用されない自費の治療のみで、保険との併用はできない。ドセタキセルが効かなくなった一部症例については高度医療の適用にはなるけれど)。また効果が劇的で元気になった人(膵臓がん、肺がんの患者さん)ばかり出ていたので(映像的にはそうせざるを得ないのだろうが)、もしかしたら効果について、少々過剰な期待感をあおったかもしれない。

気になった点は、ペプチドワクチンは元気な時にやるのが一番効果的であると多くの先生方がおっしゃっていたこと。確かに元気で、リンパ球も多くて活発でないと、効果が弱いだろうことは理解できる。しかし、現状では、最後の手段として使われている。私も元気なうちはホルモン治療で十分かなと思っていたし(仕事をしつつ、毎週羽田から久留米に通うのは覚悟がいる)、抗がん剤を使う段階になったらペプチドワクチンか、或いは抗がん剤が効かなくなったらペプチドワクチンかと思っていたけれど、どうもそれは標準治療優先という厚生労働省の方針に従っているからそうなるだけで、理想的な医療という訳ではないらしい。抗がん剤を使うとリンパ球が激減してしまうので、素人が考えても併用が望ましいとは思えない。抗がん剤の前に、ペプチドワクチンを単独治療するか、抗がん剤を休薬して使うのがベストなのだろう。しかし主治医が同意するだろうか。或いは患者が抗がん剤の使用を遅らせることを決意できるかどうか。結構難しい選択を迫られるのかも。私は、ペプチドワクチンを始める前に、抗がん剤治療が始まってしまっていたので、あまり深く考えなかったけれど。

番組を見た結果として、もっと早くペプチドワクチンを初めていたら良かったのだろうかな、とも思ったが、今となってはどうにもならない。

穿ちすぎだろうけど、ペプチドワクチンが普及し、一部のがんで延命できるようになると、抗がん剤で儲けている医薬会社には大打撃になるのだろうか。(○山ワクチンの例を見ると、そうとしか思えない。)厚労省にとっては、仮に健康保険代が抑制できても、これ以上延命されると、年金の支払いがさらにかさむことになるので、あんまり普及して欲しくないのが本音かもしれない。

8 件のコメント:

  1. まさぞうさん
    ワクチン治療をもう少し早く受けていれば・・・というコメントがありましたが、難しい選択ですね。

    免疫治療は、即効性が無くデータが乏しく、また効き目が解りづらい治療で治療費もかかりますから。

    以前、主人は、東京で超有名な免疫治療(漢方)に一年通っておりましたが、効果が表れにくく主治医にこんなことをやっていたら死期を早めホスピスを考えた方が良いと苦言されました。その後、他のオピニオンでも同じことを言われ、今の抗がん剤治療に踏み切りました。その選択は、間違っていなかったと思ってます。(そのクリニックは、キャスター鳥〇氏・有名な監督が通っており、良い結果を得てました)
    こんな経緯があって今に至ります。

    まさぞうさんの選択は、後にも先にも良かったと思います。
    ちゃんと効果が出てるし、何よりも自身で納得された治療を選択されたことですから。

    膵臓・肺がんですばらしい効果が得られたことは、希望が持てますが癌の性質がたちの悪いものでは、無かったこと体質的に適合したとか様々な要因が相重なったのでしょうと思います。

    抗がん剤⇒効けば素晴らしいと思い。
         効かなければ毒だと思い。
    こんなことに翻弄され、日々悶々としてます。
    しかし、良いと思われることは、どんどん取り入れてやっていきたいと思います。

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    1. 菜々子さま ありがとうございます。いつも元気の出るコメントを頂き、感謝しています。

      やはり命に関わることなので、今のままが一番良いのだろうとは分かっていても、外に選択肢はなさそうだとは思っていても、あの時ああしていれば、と過去のことを思うことがあるものですから、悩む夜がある訳です。

      とはいえ、前向きに治療に頑張っていこうと思っています。

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  2. 私は、抗がん剤は元気な時にやった方が効果的だといわれました。癌のような病気には、自分の体力とか免疫力とかが、やはり大事なのかと受け取ったのですが、よく考えたら風邪薬だって体が弱っている時は効き目が少ないのですから、さもありなんと、納得しました。
    私の場合は、主治医の標準治療以外では今は主に食事療法をやっていますが、ワクチンも漢方も含めて、何でも補完療法として試みて見る価値があると思っています。癌に効く魔法の薬はないでしょうが、標準治療との相乗効果が期待出来るかも知れないですし。

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  3. 皆さん頑張っていますね。主人はとうとう会社に行けなくなってきました。化学療法実施して1年3ケ月。当初から皆さんよりは副作用も少なかったのですが、病気が進行しているせいか、今は副作用で布団から出れず、ヘモグロビンの数値も低くふらふら状態で入退院の繰り返しです。それでも化学療法実施後は、体の痛みはとれるようで、オキノーム散を飲む回数は減ります。しかし、どうやら脳にも転移したようです。今度造影剤を入れてMRI実施予定です。今年は雪が多く昨年までの主人のしていた雪かきが私の役目となり、毎日大変です。でも必ず春が来ます。主人の病気も春になれば落ち着いくれたらいいなと思いながら、雪かきをしています。

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    1. あべるっちさん
       はじめまして、菜々子と申します。
      ご主人さまが脳転移かもしれないと、不安な毎日を過ごされていること、心が痛みます。
       確率的には、脳転移は、数パーセントと確立と聞いておりますので、予想が外れることを祈っております。気のきいた言葉もかけられないのですが ”必ず春が来ます”という御言葉通り、春を待ちましょう!すべての御薬が効かなくなった方でも頑張っておられる方もいます。とにかくも体力勝負ですので、お食事が取れるようでしたら、いっぱい食べて体力をつけて何とか乗り切ってくださいね。

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  4. あべるっちさん、ご主人も強い副作用にもかかわらず頑張っておられるのですね。私も皆さんの強い闘病に感化され、休薬していたタキソテールに戻りました。今回は白血球の激減、爪、脱毛は相変わらずでしたが、吐き気は前ほどひどくはありません。ただ、前回はなかった足のむくみと筋肉痛が酷く、歩くのに支障があるほどです。でも、副作用が強いのは薬が効いている証拠だと楽観的に考えています。PSAは少し下がって27になりました。まさぞうさんのように20以下にコントロール出来ればいいなあ、と期待しつつ化学療法を続けているところです。

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    1. 木魚さま 副作用の強さと薬の効き目の相関について、久留米大で聞いてみたのですが、ドセタキセルの副作用に関しては、個人差が大きく、個人の感受性の問題で、薬の効き目との相関性はあまりない、とのことでした。

      ペプチドワクチンは、基本的にQOL影響するような副作用はないのですが、免疫反応を増強するものであるため、注射した部位がしこりになったりするようです(私はあまりそれがありません)。この場合にはしこりが出た方が免疫反応の効き目があるということで、好ましいそうです。これは副作用というのかどうか分かりませんが。

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  5. あべるっちさん おはようございます。雪かきご苦労さまです。今年は大変なようですね。関東も今年は何度も降りましたが、根雪になることはないので、雪かきの大変さは理解しにくいことのひとつです。

    脳への前立腺癌の転移については、京大のHPの学会発表のところに、早期の転移ならば手術が有効で、QoL改善に大きく貢献しうる、との記載がありました。恐らく大学病院で脳外科のあるところでないと、出来ないのでしょうが、MRIの結果次第でしょうが、脳転移も手術によって症状を改善しうる可能性があるようですので、調査されるとよろしいかもしれません。私もPSAは上昇気味で、医師からMRIについて言及が今回ありました。

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