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2012年2月28日火曜日

医療費は結構な負担でした

癌になって驚いたことのひとつは、薬が高額なこと。とっても高い。去年の医療費控除を計算したら、保険診療の自己負担部分だけで、100万円近い。3割負担で100万円だから、実際に掛かった医療費は330万円強にもなる。これに、全額自己負担のペプチド・ワクチン代と交通費が追加でかかっている。今は何とか収入があるから良いけれど、長生きすると、大変だ。年金生活だと恐らくは暮らして行けないだろう。いつから貰えるかも分からないし。68歳まで支給開始時期が引き延ばされるように改悪されると、本当に大変だ。退職金もどうなることやら。

生活設計なんて、生きているかどうか分からないから意味ないのだが、病気であるってことは経済的に大変だなと実感している。

医療費控除で戻ってくる税金は払った額の1割程度なので、少々がっかりだった。ま、そんなものかな。


会社は病欠

去年の8月に入院し、抗がん剤治療を始めたが、普通休暇を消化し、その他の休暇も全て使いきったので、今は病気療養での長期休暇扱いになっている。会社から出て来れるか、確認を受けたが、副作用のため、恐らく在宅勤務なら可能と答えたが、それは無理とのこと。来年度で管理職扱いを外れ、一般職社員に降格の上、病気休暇扱いしてくれることになった。但し、60歳まで。その後の再就職は断られた。働けないので、当然なのだが、もし生きていれば収入ゼロになる。

今後は病気の長期休暇なので、給与は出なくなるが、健康保険からの補填が貰える予定。貰える額は恐らく管理職時代の半分以下になるけれど、辞めても、退職金が増えることはないので、悩んだが、60歳までお世話になることにした。その間、制度が見直しになり、会社の状況は実質倒産に近いので辞めろといわれる可能性もあるけれど、様子を見ることにした。

通院している病院も、主治医が替わることもあり、家の近所の病院に移ることを検討中。脳外科、放射線科が今の病院にはないので、いずれはどこかへ移らないと行けないと思っていたので、潮時と思うが、PSAが上昇し、ドセタキセルと併用している薬を変えることを検討しましょうと言われている最中なのと、ペプチドワクチンを続けている最中なので、直ぐに外に移るのが良いのか悩んでしまった。

周囲は即刻変わった方が良いと言う。あれこれ悩む。


2012年2月23日木曜日

ドセタキセル10クール目(7ヶ月目)、告知から1年7ヶ月、副作用対策をネットで発見

化学療法を開始して7ヶ月、PSAはまた上昇してしまい、13台に。がっかり。落ち込んだが、微増なので、医師は再度下がる可能性もあり、来月まで様子を見ましょうとのこと。来月再び上昇したら、ドセタキセルと併用している服用剤を変更するとのこと。またMRIも撮ることを考えましょうとのこと。転移が広がっているのだろうか。

現在、女性ホルモン+抗がん剤のエストラサイトを毎日4錠飲んでいるが、これをオダイン等に戻して様子を見ることも検討しましょうとの提案らしい。標準治療のレジメン(計画)では、一度効かなくなった薬は使わず、最終的には使う薬がない、投薬は中止ということになるのだが、現在はレジメンどおりではなく、なるべく早期にドセタキセルを開始しながら、色々な薬を試し、時間を稼ぐ方法も試みられているのだとのこと。でも、前回はオダインは殆ど効果がなかったので、どうなるやら。不安が再燃してしまった。お陰で寝られない夜を過したが、あまり考えても仕方がない(出来ることもない)ので、普通に生活することに、頭を切り替える。

ネットで調べたところ、爪、髪、味覚障害、手足の痺れ等は、ドセタキセルの投与(大体45分程度)の前後20分を含む1時間強の間に、保冷剤などで冷やすと表面の血行が悪くなり、障害が改善されることが分かってきたとのこと。学会報告も既にあり、日経メデイカルや、がんレポートや、乳癌などの患者さんのHPなどで紹介されていた。それ専用のキットも開発されており、アメリカの会社が冷却用の帽子、手袋、靴下の5点セットを通販で売っているのを発見したので、アメリカのアマゾンで早速注文しようとしたが、日本へは送れない(アメリカ国内ならば販売可能)とのこと。製造元のHPを見ると、世界中に代理店があり、どこでも販売されているのに、日本のみ代理店の記載がない。同じキットを日本国内の多くの大学病院が、既に患者に貸し出ししているらしい(乳癌の患者さんに)のだが、どうやって購入したのいだろう。ネットでは事情は分からないが、個人的に米国出張時、或いは米国経由で輸入しているのだろうか。5点セットで300ドルなので、欲しいのだけれど、日本では個人では買えない。厚生労働省はこういうものの規制は得意なので、輸入制限をしているのかもしれない。ありそうな感じ。

専用キットは手に入らなかったが、1時間程度、手足などを冷やせば良い訳なので、スーパーで保冷剤を大量に買い、百円ショップで大き目の靴下を2足、帽子を買い、ポットに氷を詰め、手作りで手足、頭、舌を冷やすことにした。当日ドセタキセルの投与直前に綿の靴下、手袋、キャップをし、保冷剤をおいて、その上から毛の大き目の靴下、手袋、帽子を装着したが、なかなか上手くいかない。固まった保冷剤は曲面ではないが、手足、頭は曲面なのでぴったりしない。また少々冷たすぎる。また、口に入れた氷は直ぐ溶けるので、手袋を外し、氷を口に入れないといけない。面倒なので、氷は諦め、手足に集中。帽子も保冷剤ではだめみたいだった。

但し、帽子は改良すればなんとかなるかもしれない。舌を冷やす氷は、難しそうだ。1時間も溶けない氷があれば良いのに。保冷剤を口に入れようか?ちょっとびびる。

余りにも冷たいかなと思ったが、直接保冷剤を手足に当てない限り、1時間ならば我慢はできそうだった。但し体が冷えるので、トイレ対策も必要かもしれない。


2012年2月8日水曜日

NHKでペプチドワクチンについての番組を見る

朝NHKでやっている「朝いち」で、ペプチドワクチンについての治療についての特集をやっていた。久留米大、東大、岩手医大での治験結果について、延命効果については有意の効果が認められること、しかし日本で保険治療として認められるには、安全性についての試験に時間がかかるため数年から10年はかかるだろうこと(欧米に比べて遅れているという、いわゆるドラッグラグ)、将来的には治療のみならず、癌にならないような予防効果まで期待できる可能性もある、というものだった。

前立腺癌について、久留米大の例も紹介され、大学病院の映像も映っていた。

とはいえ、久留米大の治療が混合医療だという(恐らくは)間違いもあったような(実態は、混合治療ではなくて、ペプチドワクチンに関しては保険が全く適用されない自費の治療のみで、保険との併用はできない。ドセタキセルが効かなくなった一部症例については高度医療の適用にはなるけれど)。また効果が劇的で元気になった人(膵臓がん、肺がんの患者さん)ばかり出ていたので(映像的にはそうせざるを得ないのだろうが)、もしかしたら効果について、少々過剰な期待感をあおったかもしれない。

気になった点は、ペプチドワクチンは元気な時にやるのが一番効果的であると多くの先生方がおっしゃっていたこと。確かに元気で、リンパ球も多くて活発でないと、効果が弱いだろうことは理解できる。しかし、現状では、最後の手段として使われている。私も元気なうちはホルモン治療で十分かなと思っていたし(仕事をしつつ、毎週羽田から久留米に通うのは覚悟がいる)、抗がん剤を使う段階になったらペプチドワクチンか、或いは抗がん剤が効かなくなったらペプチドワクチンかと思っていたけれど、どうもそれは標準治療優先という厚生労働省の方針に従っているからそうなるだけで、理想的な医療という訳ではないらしい。抗がん剤を使うとリンパ球が激減してしまうので、素人が考えても併用が望ましいとは思えない。抗がん剤の前に、ペプチドワクチンを単独治療するか、抗がん剤を休薬して使うのがベストなのだろう。しかし主治医が同意するだろうか。或いは患者が抗がん剤の使用を遅らせることを決意できるかどうか。結構難しい選択を迫られるのかも。私は、ペプチドワクチンを始める前に、抗がん剤治療が始まってしまっていたので、あまり深く考えなかったけれど。

番組を見た結果として、もっと早くペプチドワクチンを初めていたら良かったのだろうかな、とも思ったが、今となってはどうにもならない。

穿ちすぎだろうけど、ペプチドワクチンが普及し、一部のがんで延命できるようになると、抗がん剤で儲けている医薬会社には大打撃になるのだろうか。(○山ワクチンの例を見ると、そうとしか思えない。)厚労省にとっては、仮に健康保険代が抑制できても、これ以上延命されると、年金の支払いがさらにかさむことになるので、あんまり普及して欲しくないのが本音かもしれない。

2012年2月2日木曜日

ドセタキセル(タキソテール)9クール目、告知から1年7ヶ月目

ドセタキセルの投薬も9クール目となった。PSAはまた微増で、11台に上昇し、がっかり。主治医は、極めて事務的に、次回の投薬日を決めて、帰ってしまったので、会話の余地なし。

最近の副作用は、以前のような投薬後3日目から7日目に強いものが出るのではなく、3日目くらいからずーと副作用が続いている感じがする。以前は10日目くらいから元気に戻ったが、そういうことはなくなって、体力は実年齢+15歳という気がする。

抗がん剤を始める前は水泳教室に週2回通っており、結構きつかったが、何とかついていけた。投薬開始と同時に止め、今は週一回程度近所のプールで元気な時だけ、1時間1000メートル程度を軽く泳いでいる。先週元気だと思ったので、ゆっくりと1000メートル泳いだら、その後は立てないほど疲れてしまった。どうもまだ回復していなかったようだ。

殆ど力を入れない泳ぎなので、以前は疲れることはなかったが、8クール目からものすごく疲れるようになった。このプールには老人のグループが沢山来ていて、80代みたいな人も、ばんばん泳いでいるのだが、全くそんな連中の真似は出来ない。抗がん剤を始める前は激しい泳ぎもできたけれど、今は無理。クイックターンは怪我が怖い(足先がやられる)、早く泳ぐと腕をコースロープにぶつけて指先を怪我するかもしれない、飛び込みは禁止なのだが、あれも骨折のリスクが少しあるから無理だろう。赤血球がとても少ないから、有酸素運動の激しいのは無理なのだ。

下痢は薬で抑えているが、失禁等も日常茶飯事なので、外出はトイレがいつでも行ける場所のみ選んで行くことになる。

爪が割れてしまったので、常にクリーム等を塗り、夜は手袋をしている。100円ショップでそういう用途の手袋を売っていたので、大量に買い込んだ。爪を保護するマニキュアもあるらしいので、今度マツキヨで聞いて見ようと思う。