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2012年5月22日火曜日

歯の治療をする

ゾメターを使っていると歯科治療は全くできないのかと思っていた。定期的に通っている歯科大の病院で、メンテナンスのために見てもらったところ、右奥歯に小さな虫歯が出来ているとのこと。ゾメターを使っているので、治療で上顎壊死の可能性がある、と話すと、先方も当然了解しており、ごく小さいので、大丈夫とのこと。おっかなびっくりだったが、早いうちが良いだろうと覚悟を決め、治療してもらう。

削り出すと、先生、「あれ、結構奥深くまで入っている」との恐ろしいお告げ。しかし、痛みなく、神経にも触らず、大きな歯である奥歯だったが良かったのか(磨きにくい奥歯だから虫歯になったのでもあるけれど)、痛みなく、30分で治療終了。その後も何ともないので、大丈夫だったようだ。

奥深くまで達していたらどうなるのだろう。ゾメターを一時中断しないと治療できないのか、と尋ねると、「ゾメターは骨にくっつくので、薬が消えるわけではないから、止めてもだめだろう」とのこと。骨粗しょう症治療にも使われる薬なので、歯科医としてはゾメターについては慎重になるようだ。

他の副作用として、咽喉が痛み出した。風邪かと思ったが、熱は出ず、他の症状も出ないので、典型的な副作用が出たらしい。味雷細胞が壊れ、味覚障害の出ている舌と同様、咽喉の表面の細胞組織が破壊されていることから痛むのだろうか。それはばい菌やウィルスに感染しやすいということでもあるので、要注意だ。外出時は殆どマスクをしているが、大丈夫だろうか。

瞼が腫れたので、これまた眼科へ行くと、目の汗腺から出る油が固まって詰まって炎症を起こしているとのこと。「切開してうみを出すと直ぐ治るよ」と告げられたが、白血球も血小板も大幅に減っているし、自己治癒能力があまりないので、切開は断る。代わりに薬を出してもらう。ステロイド剤の塗る目薬を処方され、塗ると目の腫れ、赤みは直ぐに取れた。但し、この薬は長期使用禁止と書いてあった。危ない薬のようだ。プレドニゾロンと同じステロイド剤。


どうも体内の油が固まっているようで、顔にもにきびのような吹き出物が沢山出来る。眼科の先生のよれば、対策としては、「石鹸による目の回り、顔の洗顔」「蒸しタオルで暖め、油を流動化させる」などが有効だそうだ。

体中の毛が無くなったが、睫、眉毛、鼻毛など、ばい菌やゴミが体内へ入り込むのを防いでいるものがないから、目、鼻、咽喉が痛む。これに加えて白血球が大幅減少では、感染しやすいのも当然と思う。


2012年5月17日木曜日

ドセタキセル14クール目、PSAは大幅上昇。がっくりくる。

14クール目を迎えた。ある程度は効き目を見せてくれたドセタキセルも、等々という感じなのか、力尽きたのか、PSAは10を最低値としたまま、今回は22に上昇。発病時、ホルモン剤の開始時が30だったので、あと2クールもしたら、30を超えてしまうかもしれない。この何ともやり切れない状況に、困惑し、がっかりし、疲れた。悲しいと、いうのが本当の気持ちか。

以前、K大病院の先生が、あなたの症状ではドセタキセルが効いても半年程度だろう、と予言し、やはりそうなんだろうか、と思ったことがあったが、それよりは若干長かったが(ペプチドワクチンの効力もあるのかもしれない)、1年経たないのに、効かないことはほぼ確実になってきた。

これからは、可能ならば、治験薬をつないで、生き延び、それも無効になったら、ある程度ドセタキセルも休薬できれば体調も回復するので、再度ドセタキセルを使い、徐々に他の臓器へ転移し、緩和治療を受けながら死ぬまで、数年程度の時間を稼げるかもしれない。それでも、長くて何年かだろう。早ければ来年にはだめかもしれない。10年もドセタキセルで生きられたならば良いかな、という甘い期待は全く手に届かない願望ということになった。

主治医は、併用しているホルモン剤を、女性ホルモン剤のエストラサイトから、カソデックスに変えた。カソデックスは副作用は比較的少ない。エストラサイトのような女性化(乳房が膨らむなど)は無かった記憶がある。これもあまり効果があるとは思えないが、とにかく他に手は無いので、併用する薬をできるだけ変えて行きましょうとのこと。加えて、いつものゾラデックス(90日分)を注射した(この薬がとても高い)。

当日はがっくり落ち込んだが、今は何とか回復し、PSAだけじゃないし、まだまだ外出できる程度には体は動くし、副作用は別にしても、癌そのものは全く痛くもないし、と前向きに考えることにした。落ち込むのも早いが、回復も早くなった。副作用など、薬の効かないことに比べれば、全く大した問題ではないと実感。死が確実に近づいていることが一番の問題だ。

家の隣のマンションは周囲に公開の広い散歩道がある。庭師が常に入っていて、手入れが非常に良い。今年も石楠花が見事。花を見ていると、何故か元気になる。どうしてだろう。生命力のせいだろうか。できるだけ、花を見て過したい。




2012年5月14日月曜日

転院には失敗、何日か寝込むようになる

居住地の比較的近い病院に転院したいと思い、県内の某大学病院に、受診を申し込んでから1ヵ月以上過ぎた後に、漸く予約の日となり、予約時間の4時間後に担当医に会うことができた。大変混んでいた。いつも通りの混み方のようだった。

先方の先生から、当院は非常に混んでいるため、どこでも治療が可能な標準治療の患者の転院は受けていないこと、治験目的なら受けることもあり得るが、ドセタキセル無効の患者の治験は制限項目がかなり色々とあるため、対象となるかは別途確認しないと分からないとの答えだった。

後日主治医に転院を断られたことを告げるとともに、治験についての先方の真意について聞いてみたところ、治験については可能性はありそうなので、もし受けられるのであれば受けた方が良い、治験の対象になるかどうかは後日通知があると言っているので、それを待った方が良いとのこと。

転院が出来ないとなると、緩和治療目的の放射線照射は将来どこか別の病院を探さないといけない。また治験は同時に二つは受けられないため、久留米大のペプチドワクチン治療は即時中止しないといけない。治験の新薬も恐らくはいつまでも効く訳ではない。あくまでも延命効果が認められているというだけなので、いずれは効かなくなる。投与が打ち切られた後の治療はどうなるのか、不安が残る。

もし新薬の治験が駄目だとすると、ドセタキセルを引き続き続けることになる。副作用はどんどん悪化しており、薬も効かなくなり(とはいえ、ドセタキセルを完全に止めてしまうとPSAはあっという間に急上昇するだろうとのこと)、期待余命はかなり短くなりそうだ。

今回のクールでは運動は全くしていない。散歩程度、30分程度を数回した程度だが、散歩の翌日に寝込んでしまった。疲労感から動けない。歩けない。ずっと寝ていたら、何とか回復したが、投薬後2週間は安静にしていないといけないようだ。

久留米大病院で、PSAの上昇が不安であること、ドセタキセルの副作用がどんどんきつくなっていること、主治医からドセタキセル無効後の治験を勧められていること等を話したら、ペプチドワクチンの効果とPSAの相関性は必ずしもないのだそうで、ペプチドワクチンの効果が確認できていれば、延命効果はある程度あることが確認されているので、PSAの増減にあまり過度に悩むべきではない、との説明を受けた。一安心したが、「とはいえ、泌尿器科医としての立場からは、PSAも無視できないけれど」とのこと。

今後新薬の治験がもし可能だとなった場合には、どういう治療方針で行くのかを決めなければ行けない状況になりそうだ。自分の命に関わることだから、自分で決め、後で後悔しないようにしたい。

体調の悪化は心にも影響する。余命があとどのくらいなのだろうか、随分と思い悩んでしまった。

区役所通りのマロニエ(栃の木)が今年も満開になったが、通行人は誰も気にしていない様子。来年もまた見られると良いな。