私の病状では、ドセタキセル(タキソテール)は効き目がなくなっており(とても効き目が弱くなっており、が正しいかもしれない)、副作用がひどくなっていた。その後に使える薬は日本ではない。標準治療として国が使用を認可した薬はない。緩和治療で、死を待つか、免疫治療、代替治療で頑張るかしか手はない。
ところが欧米では、数種類の新薬が認可されているが、これを日本で使うには、海外に治療に出かけるか、薬を個人で輸入するか、治験に参加するしか選択肢はない。前の二つは費用面、体力面で結構ハードルが高い。
治験は、藤野邦夫さんの定義によれば、「製薬会社が厚生労働大臣の承認をうけて医療スタッフと医療設備が整っている施設に依頼し、実施してもらう治療実験のこと」だそうだ。
参加したければ、製薬会社のホームページか、新聞広告で見つけ、自分で調べ申し込む方法もあるとされている。実際にまーさんは、こうした方法で見つけられている。しかし、私も調べて見たが、良く分からなかった。
ペプチドワクチンについては、多くの大学が治験をやっているようだが、どこも「やっているという事実」を発表しているだけで、情報はそれだけだった。唯一、久留米大病院がHPで丁寧に説明し、公募もしており、分かりやすかった。
日本国内で実施されている治験は、全てUMIN臨床試験登録システムに登録されており、HPで見られると藤野氏は「ガンを恐れず」で述べている。しかし、どうもそうなっていないようで、完全なリストになっていないような気がする。前立腺癌について検索しても、あまり出てこない。
治験に参加した患者の多くは、通っている大病院の医師から、参加しないか、と声を掛けられたというもののようだ。私の例もこれに近い。他の癌の患者さんについて、知っているわずかな例も、どれも医師から勧められたものだった。
今通っている病院の治験コーデイネーターの看護士に聞いてみたところ、治験は製薬会社が病院を選ぶのだそうだ。もし、私が製薬会社に勤めていたら、厚生労働省の審査を通すことが目的だから、治験先は、まずその癌の患者の分布に近いものにしようとするだろうと思う。殆どが70代、80代の患者の病気に、30代の患者のデータは数多くは揃えないだろう。また、患者は人口比で大都市に多いだろうけれど、全国的にデータを取る配慮を政治的な理由からすると思う。患者数は少なくても、最低限の地方のデータも必要だろうと思う。また、大量のデータを記録、分析する必要から、人手のない病院では無理なので、大病院を選ぶと思う。となると、大学病院か、地方の拠点病院、がんセンターなどに治験が集中するだろう。また、製薬会社間の競争があるので、同じ癌の薬は、同じ病院には頼まないらしい。A社がA病院に治験を依頼すると、B社は別の病院を選ぶらしい。そして情報収集のためには、大都市圏よりも、地方の方がそもそも大病院の数が少ないこともあり、有利かもしれない。
恐らくは大病院の治験管理室に片端から電話をして、或いは訪問をして、治験について尋ねるのが一番なのだろうが、体力、気力の衰えた状況では、まずもって出来そうもない相談のような気がする。また治験の参加条件には、自力で病院に来れること、というのがあるため、病状が進むと受けられない。
結局元気なうちに探しておかないと無理のようだ。
一方で、治験は製薬会社にとってお金が掛かるため、サンプル数は有限だ。だから募集期間を過ぎて参加できる可能性は少ないだろう。
となると、やはり通っている病院から声を掛けてもらうのが一番なのだが、通っている病院がそういう大病院でない場合はどうするか、といえば、難しいとしか言い様がない。患者が極端に集まるがんセンターなど、治験目的の転院は門前払いだろうし。
もしアビラテロンが効かない場合、アメリカだと次はカバジタキセル、それもだめだと再度ドセタキセルというコースが考えられるらしい。今ネットで、カバジタキセルを調べても、治験がどうなっているのか、良く分からない。もしご存知の方がいらしたら教えて下さい。
山下公園前の大通りの銀杏並木に、銀杏がたわわに実っていました。余りにも凄い数なので、驚きました。掃除が大変だ。。
まさぞうさん、お疲れ様です。
返信削除私も二度治験(MDV3100,TAK700)に参加しました。残念ながらMDV3100は効果が一ヶ月、TAK700は偽薬でした。
まさぞうさんのお気持ちはよく分かります。アビラテロンが効いてくれるといいですね。
カバジタキセルについての情報をお知らせします。
まず、私が訊いたのは今年の7月中旬です。その後のことは確認できていませんのでお含みおきください。
治験は、第一層試験で募集中でした。募集期限は今年の7月末までだということでした。参加条件について、詳細は確認できていませんが、タキソテールが不適応となった患者です。
その時点で募集している関西圏の大学病院は、大阪大学、近畿大学、京都大学、京都府立大学、京都医科大学でした。
第一層試験ということで、投与量、投与頻度等を確立するための試験なので、私の主治医はあまりお勧めできないということでした。
私自身も、本当は検討しておかないといけないのですが、今の治療(タキソテール)でいっぱいになってしまっています。
まーさん いつもありがとうございます。もう始まっているんですね。第一層より、第二層なんですね。第三層はプラセボがあるので、これまた確かに大変ですね。関東ではどうなっているのか、探してみたいと思います。恐らくは、関西同様、東大、慶応、そのほかの大学病院なのでしょうか。
返信削除それより、アビラテロンが長く効いて、カバジタキセルが認可されれば一番良いのですが。
こんにちは。試験はまだ第Ⅰ相だったのですね。私は検索したり、こちらのページ(http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/development/com0040.html 製薬協のページ内)にのっている状況で主に確認していました。まだ第Ⅰ相だともう少し先になりそうですね。
返信削除抗ガン剤は第Ⅲ相試験を市販後に行う「第三相市販後臨床試験」という方法もあるようですが、MDV3100もTAK700も抗ガン剤という位置づけのはずで、こちらは第Ⅲ相もやっているようなので、どういったものが省略できるのか(あるいは省略できるのにしていないのか)よくわかりません。省略できるのであれば、市販は結構早そうですが…。
じろうさん 情報ありがとうございます。早期に全ての新薬が承認されることを願っています。
返信削除まさぞう様、皆様
返信削除いつも色々な情報参考になります。ありがとうございます。
MDV3100もTAK700も抗ガン剤という位置づけなのですね・・・
先日、主治医に次の薬について(アビラテロンが中止になったら)、他の治験にもどんどん参加したいと相談したところ、抗がん剤の治験は勧めたくないようでした。父の年齢も考えての事かもしれませんが・・・
「抗がん剤は苦しいからね。僕はあまり使いたくないんだよね~」といわれました。まだ他のホルモン剤が残っているからかと思いましたが、あと一つだといわれました。
もう少しあったような・・と聞くと、「製薬会社が違うとか、同じ作用(双子みたいな)の薬だから、あと、一つだね」と。
ゾメタに代わるデノスマブや、リュープリンに代わるデガレリクスの事もチラッと聞いたのですが、今のところ使う予定はないと言われました。
同じ作用だからみたいな事をおっしゃってました。
病院や、先生の方針、製薬会社との関係、やはり色々とあるのでしょうか。
とても話しやすく良い先生ですので、お任せするつもりですが、新薬の事とか、何か気持ちだけが先走ってしまいます。
もしかしたら先生は今の薬が効いている間は、次の話はするべきではないと考えているのかな?とか色々考えてしまい、しつこく質問するのも止めようかと思いました。
本当に一日でも早く、新薬が承認される事を願います。
えつ
えつさん 良くは知りませんが、MDV3100、TAK700とも、副作用はタキソテールとは違うと思います。タキソテールも、タキソールに比べると副作用が少ないそうで、副作用が楽な方なのだそうです。また人によって、出方が異なり、あまり気にならないという人もいれば、副作用がひどくて投与を続けられない人もいます。個人差が大きいため、やってみないと分からない世界なのかもしれません。
返信削除まだホルモン剤があるのであれば、それがどのくらい効くかによりますが、使うべきでしょうし、種類を変えるのも、時間稼ぎにはなると聞きました。
MDV3100もTAK700も抗ガン剤と記述してあるところが多いのですが、一般的な抗ガン剤のイメージ(脱毛があるなど)とは大きく異なるので、ホルモン剤?に近いのでは…と自分では考えていますが抗ガン剤の定義がよくわからないので、はっきりしたことはわかりません。
返信削除ホルモン剤はプロスタールは効き目が弱め、エストラサイトは抗ガン剤成分を含む女性ホルモン剤、プロセキソールは抗ガン剤成分のない女性ホルモン剤、デカドロンはステロイドと同じ作用といえば同じかな…と思えるものもありますが、まさぞうさんも仰るように薬の種類をかえるだけでも数値の上昇が抑えられたりすることもあると思うのですが、専門家からみると違うのかもしれませんね。
しかし「同じ作用だからみたいな事」…これは私の叔父も新しい薬について聞いたときに同様のことを言われましたよ。かえる気もないということも同じですね。標準治療にまだ含まれてないからかもしれません。
「抗がん剤の治験は勧めたくないようでした」
「苦しいからね…」ということもあわせて考えるとおそらくですが、カバジタキセルの治験のことを考えているのだと思います。
カバジタキセルはタキソテールと同系の抗ガン剤です。
MDV3100、TAK700はタキソテールのような副作用はなかったと思います。イメージとしてはカソデックスなどとかわらないはずです。
煙突山日記のごろうさんの書き込みを読んで、内容を考えながら投稿したので、名前を間違えてしまいました…。
削除すでにまさぞうさんも読まれているかもしれませんが、ごろうさんが仰っているPDFは多分これですhttps://www.astellas.com/jp/ir/library/pdf/20120906_jp.pdf ここに10月にゴナックス(デガレリクス)を発売する予定と書いてあります。
発売されれば、お医者さんからも改めて詳しいお話を聞けるかもしれません。
ごろうさま どうもありがとうございます。
削除MDV3100もTAK700も、ホルモン剤が無効になり、タキソテールの前に使用する薬なのだろうと思っていますが、タキソテールが無効になった患者にも使うことはあるのでしょうか。使えることは前提にしていないようなので、私はあまり関心が無かったのですが。
カバジタキセルの副作用はタキソテールほどではないとも聞きますが、やはりきついということでしょうか。
じろうさま アステラス社の発表文を拝見しました。MDV3100は、化学療法後も予定しているようなので、私にも使える可能性があることが分かり安心しました。
削除最近こうした情報を見つけるのが大変なので(苦手になってしまったようです)、助かりました。
まさぞう様、じろう様
返信削除きちんとした大きな病院ほど、標準治療が基本なのですよね。
新薬に関しては、副作用の問題があるし、慎重にならないといけないですし。積極的には、すぐ取り入れたりはしないのかもしれませんね。
先生のおっしゃった事は、基本的な大事な標準治療なんだと思います。新薬をあれもこれもと勧める病院のほうが怖いですよね(実際、そんな病院はないと思いますが)
しかし、やはり多少のリスクはあっても一つでも多くの薬を試したい、延命したいという気持ちは変わらないので、タイミングを見ながらお願いしていこうとは思っています。
新薬を色々試したくて転院しても、病院側が必ず受け入れてくれるかは分からないし、また元の病院に戻るのも出来るのか、出来ても面倒な患者って感じですよね・・・
じろう様がおっしゃるように、先生の勧めたくない抗がん剤の治験は、カバジタキセルの治験のことかもしれませんね。
MDV3100もTAK700も、タキソテールのような副作用がないようでしたら今後お願いしてみようと思います。(今の病院の治験で募集していれば・・・ですが)
父はカソデックス、プロスタール、アビラテロンと3種類、試してきましたが、副作用は全くないので、はやり色々と試していきたいです。
まさぞう様、MDV3100が使える可能性ある事が分かり良かったですね!
まだ打つ手はいくつかあるかもしれませんね! 半年、一年経てばもっともっと・・・・
えつ
MDV3100は現在化学療法後の治験も行っているようなので、使えるはずです。一旦前立腺がん適用で認可されればどのような状態でも医師が許可すれば使えるような気もするのですが、そのあたりは不明ですよね。でもまさぞうさんが化学療法後にカソデックスを使ったとの日記があったように思うのですが(間違っていたらごめんなさい)カソデックスは化学療法後に使う治験はやってないと思います。。タキソテールはカソデックスよりも後に使えるようになった薬のはずなので、もしこれが間違っていなければどの薬も化学療法後でも使える…と勝手に解釈しているのですが…。
返信削除カバジタキセルはドセタキセル(タキソテール)と同じタキサン系の抗ガン剤、との記述を目にしたことがあるのでおそらくタキソテールと同様の副作用がある、と私は考えています。
えつさん
薬は3種類のみ使用とのこと
後はオダイン、プロセキソール、エストラサイト、デカドロンと
新薬のゴナックス(デガレリクス)があります。お医者さんとよく
相談して試してみるといいと思います。
抗ガン剤はあまり使いたくない、というお医者さんであるならばなおのこと、「抗ガン剤までに使えるだけの薬を使って欲しい」ことを話してみるのもいいと思います。
…と、これはあくまで理想論ですよね。現実にはあまり言い過ぎるとお医者さんに嫌われてしまうのではないか、嫌なら転院してください、とは言われないだろうか…という不安と直結してどうしても言いづらくなると思います。
まさぞうさんに触発されて、主治医に治験について聞いてみたところ、「今のところ製薬会社に依頼されている治験は実施しているものはないが、もし新薬を使いたい希望があれば、相談に乗る」との返事でした。具体的にどうするのかまでは、質問しませんでした。
返信削除私のPSAは前回の20から25に上昇していましたが、この程度だと変動の内だというのが主治医の見解です。前回まで、1クールが4週間ないし5週間だった(一番効果があるのは3週間だとの説明は受けているものの、私が次の通院日をなるべく遅いように選ぶため)のが今回(9クール目)は私の都合で6週間にして貰ったのでも、「どうぞ、どうぞ」という感じで、抗がん剤投与もかなり大雑把な治療法だという印象を受けています。お陰で私は精神的には楽です。肉体的にはどんどんきつくなってはいますが。
木魚さん PSAが安定的であれば、ドセタキセルは副作用がきついので、間隔を若干延ばしても主治医が大丈夫と言っているのであれば、大丈夫なのではないでしょうか。勿論、この世界は自己責任なのでしょうが。精神的に楽な治療が最も理想的な治療と思います。癌は自己治癒力が全てなので。
削除副作用について、手や足の副作用は、もし冷却法を通われている病院が採用していないのであれば、緩和される可能性がありますので、お試しになることをお勧めします。まーさんや私が購入したキットでなくても、100円ショップで似たようなものは用意できます。
下痢や吐き気、悪心は薬を増量することで対処すれば若干は緩和されるのではないでしょうか。薬漬けですが、苦しいのよりはましと思います。
先生のおっしゃる新薬とは何か、気になりますね。
まさぞう様、じろう様
返信削除いつもありがとうございます。主治医への質問はいつも、遠慮がちな質問なってしまい、スッキリしない時も多いです。
質問に対してハッキリとNoとは言わない時が多く、「基本的には使わないのが普通・・」とか、「治験は色々条件が厳しくってね・・」のような返事が多く、いったい、使えるのか?、ここでは実施していないのか?よく分からないまま診察を終える時も多いです。
薬を変えるタイミングで、話すべきだと考えてる感じがします。
先走るのは患者だけで、専門家からみればまず標準治療に沿って、そして患者の希望とタイミングが合えば新薬も取り入れてくれる場合があるのかと・・。
とりあえず、治験には積極的に参加したいという意思だけは伝えておきました。(これは、治験担当者の方のアドバイスでした)
先生から積極的には、新薬(治験)を勧めるのはNGなのかもしれませんね。
《木魚さま》
以前、ご質問いただいていたのに、お返事遅くなりすみません。
父は、昨年の12月から治療を始めて、カソデックス5ヶ月→プロスタール2ヶ月→アビラテロン2ヶ月です。初めから骨に痛みがあったので、ゾメタを月一しています。
リュープリンは3ヶ月に1回です。
カソデックスでPSA380→2ヶ月で1まで下がった時には、ALP1000以上あった数値も200まで下がり、同時に骨の痛みもすっかり消えました。
ゾメタが効いていると思いました。
しかし、数値が3回連続上がり、プロスタールへ変更になりました。が、全く効かず、100まで上がった時にアビラテロンの治験に入りました。
100まで上がった時には、足が痛いというようになり、同時にALPも徐々に上がっていました。
主治医の話では、アビラテロンは来年か、遅くても再来年には使えるようになると言っていました。木魚さま、それまで免疫高めて頑張ってください。
えつ