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2012年8月23日木曜日

アビラテロンの治験開始

ようやくアビラテロンの治験が始まった。

6月にタキソテールの治療を中止して、8月上旬のスクリーニングに備えた。スクリーニングの4週間前には全ての前立腺癌の治療を止めておく必要がある。全ての治療を中止してしまうと、当然ながら、癌が憎悪する。PSAも上昇する。PSAは8月上旬には、72まで上昇していた。もっと上がっているかと思ったけど、なんとか二桁どまりだった。

この間辛かったのが、大腿骨に転移した癌の憎悪が原因と思われる、神経の痛みと足の痛み、麻痺だった。(前の主治医の病院では、癌ではなくヘルニアが痛みの原因と診断されてしまったけれど。)

左大腿骨に癌が転移していたので、麻痺が出たり、痛むのは専ら左の腰と足だったのだけれど、6月以降は、尾骶骨のあたりが強く痛みだし、7月末には、一日中痛さでうなるほどの状態になってしまった。ネットで調べると丁度坐骨神経痛のような症状で、とにかく痛い。8月には、寝込む日が多くなり、病院でもらった痛み止めだけでは痛みが治まらなかったので、病院の許可を得て、市販の痛み止めも買って、なんとか我慢したけれど、そのうちに右大腿骨への転移が悪化したのか、右の腰や足も痛むようになり、歩くのに不自由する状況になった。

暑かったこともあり、地獄のような日々だったが、治験開始でようやく一安心というところ。

治験の説明書によれば、アビラテロンは、アンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンの生成を阻害する薬で、精巣や副腎にあるアンドロゲンを合成するCYP17というタンパク質の働きを阻害することで、アンドロゲンの合成を阻害するとのこと。既にアメリカや欧州32カ国でドセタキセルを含む化学療法既治療の転移性去勢抵抗性前立腺癌の治療薬として承認されていて、ZYTIGAという商品名で販売されている。

え、そうだったの。何で日本だけ承認されていないの、と思う。イレッサ訴訟や幾多の薬害訴訟もあり、厚生労働省が新しい薬の承認には慎重になっている、法的に正しい手続きを踏んでいるという見方もあるかもしれないけれど、一方で、これで救われる、或いは延命できる命のあることも考えると、単なる官僚機構の権限行使を目的とした承認の遅延か、または医療費抑制のための意図的な遅延なんじゃないの、と疑いたくなる。

医療費抑制が目的ならば、保険適応外で使用だけ許可すれば、自由診療の病院で、治療できれば良いという考え方もあると思うのだが、日本では混合診療は禁止されているから、結局は使えないだろう。

前立腺癌は患者組織が弱いそうなので、他の癌のような、役所へ早期承認のための圧力をかける患者組織が不在なことも、遅延の一因なのだろうか。

ドセタキセルは効かなくなったので、この治験に参加できなければ、ドセタキセルのきつい副作用に耐えながら、あまり効かないと分かっている化学療法で体をぼろぼろにしつつ、緩慢に最期を迎えることになっただろう。その時期が延びたので、とっても有りがたい。あとはいつまでこの薬が効くかどうかだ。




9 件のコメント:

  1. 匿名さんへ
    わたくし自身、心が荒んでいたかもしれませんね。

    お言葉は、真摯に受け止め反省をいたします。

    主人は、おかげさまで免疫治療が功を奏して
    主治医もびっくりするほど数値も下がり、腫瘍もとても小さくなりました。
     免疫・フコイダン・等々わかりませんが。

     抗がん剤治療も一時的にお休みとなり、今はカソで様子を見るとのことです。その後は、放射線治療をもと考えていただいております。

     他の方がご指摘くださったように今を大切に寄り添って参ります。

    まさぞうさんも治験参加でき、よかったです。他の方ご意見でもよく効くとの事、お体に適合するとよいですね。お祈りいたしております。

     

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  2. 私自身も前立腺がんで一応は、完治?したものですが、ちょくちょく見させていただいておりますが。


    <医師の能力無さ あまりにも無知すぎます。>との言葉
    私も昨年子供を亡くし、些か医師の能力低下・対応・態度には、疑問を持っておりましたので
    この言葉には、品位・醜い・性格がきついとは感じられません。(娘は、誤診でしたので)

     私は、男性だから女性の心情は、もちろんわかりませんが、妻を通して感じたことは、強くなくれば・ときには、きついと思われようが、そうじゃなければ愛する人を看取れないと事と感じました。ましてや何をもって品格が無いと否定をするのでょう。

     私たち夫婦も来世 わが子が生まれ変わっ
    てこの世に生をうけたら、今度こそは、のびのびと生きてほしいと願ってます。
     もちろん寄り添うことも大切ですが、それには、時間が短すぎ限りがあります。だからこそ、のびのびと生きてと思う気持ちは、
    愛する者への願いなのでは、無いのでしょうか?

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  3. まさぞうさん、こんばんは。治験がいよいよはじまったのですね。アビラテロンは海外では評判の薬のようなので、評判通りの効力があることを期待しています。

    厚生労働省のホームページでは、カバジタキセルについて早期の保険適応の嘆願書というか意見書のようなものが出されているようです。抗ガン剤は第Ⅱ相まで試験が終われば、市販となって第Ⅲ相試験が行われるはずなので、こちらもそう遠くないうちに使えるようになるのではないでしょうか。
    (http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/03/tp0326-1.html Ⅱ-62を読んでみてください)

    奈々子さん
    品位・品格を他人にとやかく言う人間ほど、自身の品位や品格がひどい人が多いものです。ひとつの意見として受け止める程度にして、あまり深く考えすぎない方がいいですよ。

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  4. まさぞうさん、上の書き込みは「じろう」です。書き込みを削除する方法がわからなかったので、このような形で訂正させていただきます。

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  5. まさぞうさんへ

    治験開始 よかったですね。
    良い結果が得られれば良いですね。

    奈々子さんへ

    私も女性ですから、あなたのご主人に対するお気持ちは痛いほどわかりますので、中傷なんか気にしないで!それよりも一人の方の意見を順を追って読んで攻撃するなんてちょつとね…その方のほうが、醜く欲求不満みたいですね。愛されたことないのかしら?

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  6. 菜々子さま ご主人のPSAが下がり、腫瘍も縮小されているとのこと、良かったですね。正直、羨ましいです。

    私も以前免疫療法を考えたことがありましたが、費用面で高額なこと、実績が良く分からなかったことから、当面は化学療法(ドセタキセル)とペプチドワクチンで行こうと決めました。

    残念ながら、ドセタキセルは効かず、ペプチドワクチンは治験の関係で中止せざるを得なくなりました。

    治験の薬が効かなくなったら、残された選択肢はないので、免疫療法は最後の手段かもしれませんが、ドセタキセルと併用が可能なのでしょうか?ペプチドは、ドセタキセルを使用する前の、体力があり、白血球が多い状態の方が、効くように個人的には思います。

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  7. 匿名さん ありがとうございます。アビラテロンで多少なりとも延命できればありがたいと思っています。

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  8. じろうさま アビラテロン、カバジタキセルが早期に保険で使えるようになり、前立腺がんの治療の選択肢が増えると良いと願っています。

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  9. 秋風さま 娘さんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

    子供の無い私には、子供を失った時の悲しさの深さは想像するしかありませんが、これ以上辛いものはないだろう、と思います。

    娘さんが来世もお幸せでいらっしゃるよう、お祈り申し上げます。

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