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2012年8月3日金曜日

激痛に悶える日々

新たな前立腺癌の薬の治験を受けるための条件として、全ての治療を1ヶ月前に止めるというのがある。このため、6月でドセタキセルは中止した。ステロイド剤のプレドニゾロン等の飲み薬も全て中止した。

主治医に、次回のドセタキセル投与中止を申し出ると、やっかいな患者がいなくなるので、喜んでいたような感じだったが、いつ治験を中止されるか分からないから(もしPSAが上昇すると、治験は中止になる)、治験薬が効かなくなったら再び標準治療のためにお世話になる可能製もあるので、よろしくお願いしますと言うと、主治医はとても困惑した様子だった。

新たな診断書の作成もついでに頼んだのだが、主治医が郵送してきた書類には、予後の欄に、「余命は数ヶ月」と書いてあった。少々ショック。いくらなんでも、数ヶ月はないだろう。彼にとってはドセタキセルが効かなくなった患者の余命としては、率直なところなんだろうか。だから、せっかく他所の病院で引き受けてくれたのだから、帰って来て欲しくないんだろうか。

全ての治療を中止すると、当然ながら癌が憎悪してくる。前立腺癌の憎悪の速度は遅いとはいえ、私の場合、大腿骨に転移した部分が憎悪しているので、ここが悪化すると、神経を圧迫して痛みを生じる可能性があった。

それが直接の原因かどうかはまだ分からないのだけれど、2週間前から、強い筋肉痛と、尾骶骨周りが強く痛み出した。尾骶骨周りの痛みは鈍く、連続していて、昼も夜もなく続き、特に夜は痛みで寝られない。痛みは段々と強くなり、一番ひどいときには、一日中、痛さに涙が出る程で、何も出来ず、考えることも出来ず、歩けず、買物も料理も出来ず、唯一出来ることと言えば、トイレに行くことくらい。TVでさえ、ぼんやりとしか見ていられない。本などを読むのも無理で、インフルエンザで高熱が出た際、うなされて何も出来ない、あの辛い状態に近い。

治験先に頼んで痛み止めを貰うが、あまり効かなかったので、許可を得て、痛み止めを処方よりも増量して飲んでいる。痛い、痛いと唸る日々が続く。あまりの事態に、家族と知人にSOSを出し、知人には買物と掃除をお願いし、料理も作ってもらった。家族には差し入れをお願いした。これで食料品を買いに出る必要がなくなったので一安心なのだが、痛みは中々収まらない。

これがづっと続くのならば、長生きはしたくないと思った。調べると、骨に転移した癌の痛みはそれはそれはすごいものらしく、病院のベッドのカーテンを患者が苦痛で引き裂いた程などと書いてある資料もある。まだそこまでの痛みではないと思うけれど、寝られない痛みが2週間も続くと、体力も落ち、気力もなくなる。考えることも出来なくなった。

ただ、痛みというのは、段々と慣れるのか、2週間たった今では、夜は多少寝られるようになり、外出も近所ならば歩けるようになった。

もし、治験が受けられないとなると、残された選択肢は、効かないのを承知で、ドセタキセルの投与を続ける(PSAは上昇し、いずれ骨のがんが痛みだすだろう)か、余命数ヶ月の標準治療は諦め、代替治療を受けるか、あるいは両方を同時に受けるか否か。治療を受ける、選択するには、体力がないと無理で、骨の痛みでほぼ寝たきりの状態では、考えることさえ、出来そうにない。

しかし、がんは痛い。緩和治療で痛みをとらないと、自分の治療の方針さえ、決められません。

10 件のコメント:

  1. まさぞうさま
    去年、同病の56歳の主人を亡くしました。
    投薬、放射線、闘病生活3年ほど後、激痛の末、骨転移で下半身不随となり車いすでの生活を1年過ごしました。
    後悔するとすれば、痛み(針で刺すようなひどい痛み)のある時に早急にモルヒネ、レスキューを使用すればよかったと思う事です。
    モルヒネを使用しても日常生活は送れるみたいです。
    ただ、主人は亡くなる1週間前に使用した結果、眠り続けることが多く(全身転移)手遅れでした。
    痛みは耐えがたいです・・・
    どうぞ我慢はなさらないでください。

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  2. http://blogs.yahoo.co.jp/usa123_12012年8月8日 0:20

    痛みは我慢されないほうが良いそうです。

    医療用麻薬は使っても副作用はないと
    知り合いの患者さんが言っていました。

    お大事になさってください。

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  3. 大丈夫です、余命宣告など。まさぞうさんより以前、初診時に宣告されましたが、今もロードで駆ける普通の生活を続けています。

    そんな医師の様子は、
    『最期まで闘うことを望む患者は8割に達したが、医療関係者では2割にとどまった。患者の多くが、最後まで治療を求めるのは当然だが、そこには「治療=病気を治すこと」という無意識の前提があるのではないか。医師は、そうは考えていない。「治療=やりすぎると悪い結果になる」と認識している。医師は限界を知っているので、自身についても最期まで治療することを望まないのではないか。』というような東大Hpのがん患者と医療関係者の意識調査がありましたが、どうでしょう?

     また、免疫細胞の主体は白血球、免疫力は白血球しだい。抗がん剤や骨髄への放射線療法を行うと、骨髄中の白血球がダメージを受け減少し免疫力が低下しますが、やりすぎると戻らなくなるそうです。

     自分も、将来必要となれば早い段階から緩和医療を受けるつもりです。医療用麻薬を使用し、レスキュードーズなども併用しながら現在のQOLを維持し社会生活するためにも。

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  4. 匿名さま ありがとうございます。ご主人のご冥福をお祈りします。

    痛みはとても辛く、生きる意欲を無くしますね。考えることも出来ず、表情もなくなり、笑顔も消え、書くことも出来ませんでした。

    早く死にたいと思った程ですので、全身にがんが転移したならば、その痛みたるや、想像するのも恐ろしいです。

    啄木ではありませんが、死ぬのは怖くないが、痛いのが怖いというのが実感です。

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  5. usa123_1さま ありがとうございます。

    痛みを緩和するのはとても大事だと思います(本当に死にたくなるほど痛いので)。

    緩和医療に力を入れている病院とそうでないところで、恐らく患者のQOLに相当の差が出るような気がします。

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  6. Alainさん 化学療法を初めとする抗がん剤治療の是非を論じる資格は私にはないと思いますが、体へのダメージがいかにすごいものかは身を持って体験していますので、否定する意見も一理あると思っています。

    しかし、一方で、40代、50代で遠隔転移のある前立腺癌を発病した場合に、低分化の悪質ながんであればあるほど、死亡率が高く、余命も短いことも知られていますので、化学療法、抗がん剤を受けないという選択は、究極の選択だろうとも考えています。

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  7. まさぞうさま

    8.7にメッセージを送ったものです。

    主人は3回目で抗がん剤をやめました。
    理由はアレルギー反応が出たからです。
    その後の治療は確か、効き目が定かではないUFT、エストラサイト、デカドロン
    などの飲み薬、ゾラデックス、ビスフォスフォネートのみでしたが、PSAは200まで下がりました。
    (一時は、PSA4000でDICになり余命2週間といわれたのですから・・・)
    200まで下がった時に車いすで退院。
    それから1年は笑顔で私を困らせることなく過ごせました。
    仕事、歩けること・・・
    失ったものは大きかったけれど
    前向きな姿勢は最期まで。

    半年入院していて、気づいたこと・・・がん患者にとって、治療は大事ですが一番大事なのは
    親身になって話を聞いてくれる医者、看護婦がいてくれることです。
    大きな病院もあてにはなりません。
    (東海大学では、PSA4000の時
    追い返されました・・・途中ガン難民になっていたためですが)
    余命もあてになりません。
    ただ、我慢は寿命を短くするような気がします。

    とにかく痛みをとって大事にしてくださいね・・・・

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  8. 匿名さま ありがとうございます。主治医、病院をどう選ぶかはとても難しい問題と思っています。私も、主治医の治療のあり方(一方的で、対話を拒む姿勢、若干いいかげんな治療方針の決め方など)には疑問と不安を感じていました。でも、転院はできず、今日に至ってしまいました。

    治験をお願いしている病院は、ものすごく混んでいて、医療関係者の過重労働ぶりには頭が下がる思いです。にもかかわらず、医師も看護士もとても親身な態度で、安心感があります。

    やはり病院は選ぶべきで、セカンドオピニオンも取るべきで、特に化学療法は、色々な病院を見てから決めるべきだろうと思いました。何せ命がかかっているわけですから。

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  9. まさぞう 様

    まだ、その数値での余命宣告なんて、いささか早すぎるとも思いますが。その点からも主治医の能力の無さ・治療放棄みたいなことを些か感じます。

     私自身 もちろん専門医の意見は、重視をするつもりですが、あくまでも標準的な治療に乗せようとするので、無い知識を絞り、今後は、どんどん意思を述べるつもりです。
     自己責任で納得のいく事が出来れば後悔をしません。

     主人も20回の抗がん剤治療で数値は、標準内に下がりましたが、もう 体力的に限界を感じてますので、投与の量もしくは、投与期間を今一度 考えたいと思います。

     痛みは、皆さまがアドバイスされている医療用麻薬を用いて、コントロールされることが、望ましいと思います。痛みが和らげは、また 生きる意力が湧くかもしれないと思います。

     前立せん癌ほど またまだ未知の多い癌だとも聞いてます。同じ病状でもあっても千差万別で何が起こるかも知れないみたいです。
     とにかく まずは、体力をつけることが第一です。口に入るものは、一口でも口にして下さい。最期を考えるのは、まだまだ 先ですょ。

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  10. 菜々子さま いつもありがとうございます。大変励まされます。

    幾らなんでも、数ヶ月で死ぬとは考えていません。体力が相当弱ってくれば、そう自覚する時もいつかはあるんでしょうが。

    痛み止めは、治験を申し込んでいる病院に増量してもらい、痛みは基本的にはわずかなものになりました。但し、歩くとまだ痛みます。歩行は麻痺があるのか、結構難しく、他の人の4倍くらいのスピードでゆっくりと歩くことは何とかできるようになりましたが、普通の歩行はできません。

    今はまず体力をつけ、長期戦に持ち込もうと思っています。

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